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ユーザーリサーチってご存知ですか?|SmartHRオープン社内報

こんにちは、プロダクトデザイングループの310こと佐藤(@oremega)です。

立ち上げてからだいぶ時間がたっていますが、「ユーザーリサーチ推進室」の活動をはじめています。「ユーザーリサーチ」って、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、「そもそもどんなもの?」を知ってもらうことで、リサーチの相談をもっと気軽にしてもらえるようになりたい!それがこの記事の目的です。

ユーザーリサーチ推進室とは
お客様を理解するための調査を専門とするチームです。調査の設計、実施、結果のまとめ、手法のガイドライン化などをおこなうことで、プロダクトの品質と生産性の向上に貢献すべく活動しています。

……と書いてみましたが、これだけで「なるほど、そういうことか!」と理解するのはちょっと難しいですよね。
「ユーザーリサーチ推進室」を活用することで、SmartHRをもっと良いプロダクトにできます。その理由をもう少し詳しく書いていきます。

ちなみにメンバーは、UXデザイナーのversionfiveさん(@versionfive)、PMM の佐々木さん(@kosasaki7)、そして私の3名です。

そもそもユーザーリサーチ is 何?

「ユーザーリサーチ」とは、ユーザーの行動の実態把握とそこに至るまでの思考を理解するための調査全般を指します。最近では「UXリサーチ」と呼ばれることも多く、UXデザイン分野の一つに位置づけられています。

下記のような代表的な手法にしぼって、開発プロセスごとに分類して紹介します。

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▲参照元:安藤 昌也さん著『UXデザインの教科書』

ユーザーリサーチ推進室立ち上げの背景

新しく入社された方向けにお話しすると、私が入社した2018年から約2年で SmartHR を取り巻く環境は大きく変わっています。お客様の業種や会社規模が広がることで導入に関わるステークホルダーも増え、プロダクトの機能も拡大しています。さらに、これらの変化は非常に速いスピードで起きています。

プロダクトの利用方法や業務プロセスを、お客様からのヒアリングを通して調査し、開発要件に落とし込めていることが、変化に対応できている理由の一つです。会社のバリューにもある「人が欲しいと思うものをつくろう」を体現した、広義の意味で「リサーチができている」良い文化だと思います。

プロダクトの評価については、お客様の実際の使い方や要望に詳しい カスタマーサクセス(CS)、カスタマーサポート(SP)、人事労務研究所のメンバーに対して、開発が一通り終わった段階で「エキスパートレビュー」をおこなっていました。(※エキスパートレビューとは、専門家の方にユーザー目線で見てもらい問題点を見つける手法のことです)
しかし、開発プロセスのなかでのプロダクトの評価は定着してはおらず、プロジェクトによって実施有無のばらつきがありました。

開発したプロダクトが、本当にお客様にとって欲しいと思えるものかどうかを見定めるには、お客様に実際に使ってもらう「ユーザービリティテスト」の実施が効果的です。また、高速で開発していくなかにプロダクトを評価するプロセスを組み込むことは、全員が同じ目線で開発をし、品質と生産性を上げることにつながると信じています。

強いチームで良いプロダクトを生み出し続けるために、リサーチの仕組みをつくるユーザーリサーチ推進室を立ち上げました。

ユーザーリサーチ推進室の活動内容

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▲Zoom を使ったユーザビリティテストの様子

冒頭のとおり、ユーザーリサーチはタイミングと目的に合わせて手法を選択します。ユーザーリサーチ推進室では、今後以下の2種類のリサーチを実施していきます。

【1】ユーザーヒアリング(インタビュー)

お客様の現状の調査
プロダクトの使い方や業務プロセスを中心に、対話形式で実態を理解していきます。主にプロジェクトの初期におこないますが、知りたいことが出てくると随時実施します。
プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)やプロダクトマネージャー(PdM)がヒアリングをおこなう際には、お客様の発言を引き出しやすい質問内容や資料を一緒に考えるなどの支援をおこなうこともあります。

プロトタイプによる仮説検証
実装に入る前の画面デザインができたタイミングで、お客様が利用する姿を観察して設計が正しいかどうかを確認する手法です。デザインを紙芝居的に見せることで、初期ヒアリングの仮説に対して、どれくらいお客様にマッチしているかを見極めることができます。


【2】ユーザビリティテスト

プロダクトのリリース前の仮説検証や、リリース後にカイゼンしたいタイミングでおこないます。
プロトタイプなどを操作してもらう過程で、ユーザーの行動を観察しユーザビリティの課題などを発見する手法です。同時にユーザーのその時の意図や気持ちをヒアリングすることで課題の特定につなげます。また、操作の様子を録画に残すことでチーム内のエンジニアたちに課題を共有しやすくなります。

開発プロジェクトとの関わり方

プロジェクトの進み具合によって調査の目的が変わり、求められるスキルや手法も変化します。そのため、プロジェクトに関わる PdM、エンジニア、品質管理エンジニア(QA)、SP、CS のメンバーと一緒にユーザーリサーチの実施のサポートをおこないます。

開発パートナープログラムとの連携
お客様の声を聞く文化が根づいている SmartHR だからこそ生まれたプロジェクトがあります。
試験運用中のため、詳細についてはまだ多くを語れませんが、開発に協力いただける一部のお客様を対象にした「開発パートナープログラム」の試運転を、PMM 佐々木(@kosasaki7)さんが始めています。

このプログラムを通して、お客様にユーザビリティテストに参加いただくことによる私たちのメリットはもちろんのこと、リリース前のプロダクトに触れることで、お客様にも期待を抱いていただける取り組みとして、今後も連携していきたいと考えています。

ナレッジをためて使いやすいガイドラインを整備
私たちは、開発プロセスの中に、誰でも当たり前に使える手段としてユーザーリサーチを組み込むことを理想としています。
その状況を作るために、私たちが蓄えたナレッジをみなさんが活用しやすいガイドラインとしてドキュメント化していきます。

● ユーザーヒアリング(インタビュー)の調査設計と実施ガイドラインの作成
● ユーザビリティテストのテスト設計と実施ガイドラインの作成

また、ユーザーリサーチの実用性の啓蒙活動として、簡単な勉強会の他、一緒にリサーチのプロセスをたどってみるワークショップの開催も考えています。みなさんと一緒にプロダクトの品質を高めるための活動をしていきます!

お願いしたいこと

もっと多くの実績をつむために、ユーザーリサーチの相談やお手伝いを必要とする案件を募集しています。
開発に関わるユーザーリサーチが中心になると思いますが、それ以外のプロジェクトでも協力できますのでぜひご相談ください。

【相談方法】
Slackチャンネル # user_reseach_推進室 で @310 & @versionfive 宛にメッセージを送信!

ちなみに、これまでの活動をまとめていますので、Docbaseで「ユーザーリサーチ推進室の活動記録」と検索しご一読いただけたら嬉しいです!

ユーザーリサーチを開発プロセスの中でカンタンにできるように、仕組み化に取り組んでいきますのでよろしくお願いします。

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